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蔵本 賢一; 山下 利之; 白鳥 徹雄
Progress in Nuclear Energy, 38(3-4), p.423 - 426, 2001/02
被引用回数:6 パーセンタイル:44.09(Nuclear Science & Technology)プルトニウム(Pu)の需給状況に柔軟に対応できる利用法の一つのオプションとして、現行の軽水炉中でPuをほぼ完全に燃焼でき、使用済み燃料を安定な廃棄物として直接処分できる岩石型燃料とその軽水炉燃焼技術の開発を進めている。この岩石型燃料の照射挙動及び照射後の地質学的安定性を評価するためにJRR-3で照射を行い、浸出試験を含めた照射後試験を行っている。今回は照射後試験のうち非破壊試験に関して報告する。燃料ピンの外観検査、寸法測定及びX線透過撮影の結果、ピン表面には破損、伸び及び顕著なスエリングは認められなかったこと、ペレットの多くには軽水炉燃料と同様に亀裂が発生しているもののペレット形状を保っていること等を確認した。線スキャニングの結果、Zr等の不揮発性核種はペレット内部に一様に分布していること及び揮発可能核種であるCsは多くはペレット内部に留まっているものの、一部は燃料の照射時温度に相関してペレット外部に移動していること等が明らかとなった。
馬場 恒孝; 三田村 久吉; 蔵本 賢一; 稲垣 八穂広*; 上薗 裕史
JAERI-Review 98-002, 23 Pages, 1998/02
処分条件下でのガラス固化体の長期性能評価を目的として、その浸出挙動を変質層の役割、地下水による影響及び酸化還元雰囲気の影響の観点から研究を進めた。その結果、次のことが明らかになった。(1)浸出の過程で表面に形成した変質層内での結晶成長のような反応は、固化体からの元素の浸出がほとんど止まっても進行する。(2)水和したケイ酸変質層は、脱イオン水中よりも還元性の合成地下水中の方でFeを伴って溶解し易い傾向がある。(3)酸化還元両条件ともにPuxHO(am)の形成がPuの浸出を支配し、還元条件下での主な可溶性化学種はPu(OH)である。セラミック固化体に関する研究では、シンロックの構成鉱物の一つであるペロブスカイトの崩壊損傷を調べ、910/gの蓄積線量で1.3%の密度減少を観察した。また、ペロブスカイトの浸出率は蓄積線量の増加で増える傾向のあることが分かった。さらに、ジルコニア及びアルミナを主成分とするセラミックの結晶学的安定性、化学的耐久性等をCe及びNdを用いて調べた結果、イットリア安定化ジルコニアが目的とする固化体として優れた特性を有することが明らかとなった。
日野 竜太郎; 宮本 喜晟
日本原子力学会誌, 37(11), p.1042 - 1049, 1995/00
被引用回数:2 パーセンタイル:28.12(Nuclear Science & Technology)高温水蒸気電解法は最高1000Cの水蒸気を電解して水素を製造する方法で、固体電解質型燃料電池の逆反応を利用する先進的な電解水素製造法である。原研では、高温ガス炉の熱利用系開発の一環として、12セル構造の実用的な円筒型固体電解要素を用いて実験室規模の試験を進めてきた。固体電解要素は多孔質セラミックス管表面にセルを直列に成膜したもので、電解質にはイットリア安定化ジルコニアを用いている。試験では、アルゴンガスに水蒸気を含有させて電解要素に導き、DC電源からの電力で水蒸気を電化させた。電解温度は850C~950Cの範囲の一定温度に調節した。水素発生量は電解電圧及び電解温度の上昇とともに増加し、950Cにおいて最高7Nl/hで水素を発生させることができた。実験データを基にして水素発生速度と電流密度の関係式を導出するとともに、80~100mA/cmの範囲の電流密度での電解条件で高いエネルギー効率を実現できた。